福島県下郷町 アイ・オー・データ製NAS HDL-CE3.0 HDDファームウェ

今更ですが栃木県は四方を茨城、群馬、埼玉、福島と4つの県で囲まれた海無し県でございます。

この中で唯一東北地方で接している福島県

今回は福島県会津地方にお住いのお客様よりいただいた修理依頼をご案内させていただきます。

ちなみに福島県は地元出身の方はご存知かと思いますが、天気予報などでは3エリアに区分されます。
太平洋側に面した「浜通り」、国道4号線東北自動車道東北新幹線などが通る中央部「中通り
そして最も日本海側に近い「会津地方」という順に。

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午前10:00も過ぎ問い合わせの電話も鳴らず久々に平穏な一日かなと思った矢先、その静寂は打ち壊されました。

けたたましくなる電話のベル。
受付スタッフが応対するとデータ復旧を希望される内容でのお問い合わせでございました。

お問い合わせの内容は
1. 「アイ・オー・データ製のLANDISKを使用していたが故障してしまったようだ」
2. 「メーカーへ問い合わせをしたが、HDDが壊れていると言われた」
3. 「諦めきれずHDDを取り外し所有しているPCへ接続してみたが、応答も認識もされない」

という正にデータ復旧において緊急性を要し、復旧作業の難易度も高めとなるものでした。

上記2. のメーカー様の回答だけでは単にLANDISKの本体電源の故障や、ロジックボードの故障の可能性もあります。
その場合は内蔵のHDDは無傷であることから、それほど手間も掛からず低費用で且つ短期間でデータの復旧作業を
完了することができます。


しかしながら上記3. のようにスキルあるお客様が行われた問題が起きたLANDISKから内蔵のHDDを取り出し他PCへ
接続してもディスク自体を認識しない場合ですとデータ復旧の難易度はグンと引きあがります。


お客様へはデータの復旧精度を低下させないために、これ以上の通電およびセルフチェックをされないようにお願い
いたしました。

物理的な損傷の生じている媒体の場合ですが無理な通電や市販のデータ復旧ソフトを使用することで反って状況が
悪化することも珍しくありません。

同様のトラブルと遭遇された場合は無理にご自身でデータの復旧を試みようとされずに、いち早く私どものような専門
業者へ問い合わせをされることを推奨いたします。

その結果症状が悪化しないことでより低予算でデータの復旧ができることに繋がりますので。

お客様はデータの復旧を急がれておりましたが、あいにく直近の北部への出張枠は塞がっております。
そこで郵送にて当店まで送っていただくようご案内いたしました。

郵送の場合はクロネコヤマトの精密機器BOXにきちんと梱包された上で発送していただけますようご協力願います。
稀に復旧希望の媒体を裸で封筒に入れられ普通郵便などで送られる方がいらっしゃいます。
補償の効かない普通郵便やメール便ですと輸送過程でさらに状態が悪化しても誰にも補償してもらえませんので。

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お客様の性格を体現するかのように丁寧な梱包で郵送されてきたアイ・オー・データ製のLANDISK

HDL-CE3.0 2013年製の3TBのネットワーク対応のHDDです。

アイ・オー・データ公式HP

HDL-CE3.0 商品説明

ちなみにこちらのモデルはHDD単体モデルでRaid非対応となります。
そのため内蔵HDDに障害が発生すると今回のようなトラブルが起きた場合にデータ復旧の手間、費用、時間などが余計に
掛かることになります。

理想としてはHDDを複数台搭載したRaid対応モデルを購入された方が何かと便利です。

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お客様で一度分解をされておりますが、内蔵のHDDを詳しく調査するために改めてケースを開け、HDDを取り出します。

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取り外されたHDD

東芝製のMD04ACA300 3TBのHDDになります。


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HDDの裏側です。

調査の結果HDDのファームウェアに障害が起きており今回はこの部分を修復させることでデータの復旧が高い精度で
行えると予測いたしました。

ちなみにファームウェアと言うのはHDDの全般的な動作や様々な制御や命令を行うためのプログラムです。

このファームウェアですがHDDにもよりますが、HDD上の基盤(PCB)上に書きこまれていることがほとんどです。

しかしこれが損傷してしまうと極めて厄介なんです。

データ復旧の業者様によってはファームウェアの損傷とHDD上の磁気情報の読み取りを行うヘッドと言う部品の故障を
誤って判断されることもございます。

それだけ故障箇所の特定が難しい部分なのです。

ネット上ではファームウェアの修復で復旧可能であるにも関わらず、必要もないデータ復旧まで行われデータ復旧の
費用が莫大になったというお客様の嘆きの声も散見しております。

このファームウェアの修復とヘッド交換では作業の内容、納期、費用に天と地ほどのレベル差が発生いたします。

当店パソコンサポートPCわんだではデータ復旧に長けた専属スタッフの確かな経験と的確な判断の元お客様へは確かな
診断と故障箇所の特定をご案内することが可能です。

機器到着から中3日程で損傷したファームウェアの修復に成功。
※損傷の度合いによってはさらにお時間をいただく場合もございます。

それでは晴れてデータの本復旧作業に着手します。

ここからの作業はそれほどお時間を要しません。
当日中にすべての作業を完了。

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お客様よりLANDISKと同梱で送られてきた復旧データ保存用のHDD。
2TBのHDDになります。

今回復旧できたデータの容量は約1.5GBでしたので問題なく保存できる容量になります。

最後の仕上げで復旧された全データを保存媒体へ記録していきます。

最後まで緊張の糸を緩めずに仕上げの作業を進めて行きます。

機器到着から実に中4日ですべての作業が完了いたしました。

復旧されたデータのリストをお客様にも確認していただきましたが、希望されるデータのじつに100%のデータの復旧に成功。


今回のように予めお客様側で復旧データ保存用の媒体を発送していただけますよ作業に要する費用をやや抑制することが
できますので参考にしてください。



データ復旧作業後にお客様へ納期の件でご連絡を差し上げましたところ新規に購入されたNASへ今回復旧したデータを
書き写してほしいと追加のオーダーまでいただいてしまいました。

という訳ではるばる福島県会津地方の下郷町へ出張することになりました。



南会津郡下郷町(公式HP)


参考までに今回発生した費用です。
データ復旧作業料          45,000円
(ファームウェア修復,Raid無し環境のデータ復旧)
NAS設置設定作業料          8,400円
遠方交通費     6,300円
割引                -2,700円
合計              57,000円
福島県南会津郡への遠方交通費は6,300円となります。
※現地での作業時間90分以内での作業料金となります。

当店パソコンサポートPCわんだではLANDISKなどのNASのデータ復旧はもちろんHDDのファームウェア損傷などの障害
からもデータを復旧することが可能です。


県境を超えてやってきました福島県

会津地方への出張はじつに久々であるため何もかもが新鮮です。

そしてここ下郷町と言えば観光資源が豊富なことでも有名です。

なかでも大内宿は全国区の観光地。

作業を終え時刻は15時過ぎでしたが、少し無理をして足を延ばしてみました。

大内宿へは国道121号線から入っていくのですが、国道から逸れると道幅が一気に狭くなります。

周囲の景色も山深くなっていき初めての方は恐らく迷ったのでは。。。と思われる筈。

また団体様を乗せた大型観光バスも通るため擦れ違いには気を使います。

雨の日などは落葉でスリップなどもしやすいので安全運転を心がけましょう。

大内宿までは下郷町の中心部となる湯野上(ゆのかみ)温泉から車で20分ほどで到着します。

駐車場は平日の遅い時間であるにも関わらず混み合っておりました。

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到着した大内宿

大内宿は江戸時代の会津西街道の「半農半宿」の宿場で、伝統ある茅葺屋根の民家が街道沿いに建ち並ぶ集落です。

時を経た現在でもその姿は受け継がれ茅葺屋根の集落には実際に住人の方が住んでおり生活をされているというのです
から驚きです。


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集落は北に見える見晴らし台に沿って続いており、緩やかな傾斜地になっています。

通りの両脇には茅葺屋根の佇まいと、土産店や食事処が軒を連ねます。

珍しいものも売られており見ているだけでも楽しめました。

もう少し時間が早ければ名物のねぎ蕎麦を堪能したかったのですが、訪れた時にはすでに遅し。

営業時間が終了しておりました。


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このような立派な蔵も建っております。

本家扇屋さんはなんと蔵の佇まいの旅館さんなのです。

なかなか蔵に泊まれる機会と言うのはありませんので貴重な体験をしたい方は必見です。

蔵の宿本家扇屋公式HP


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こちらは大内宿町並み展示館

大内宿本陣跡に復元された建物になります。
当時の風習を伝える写真や生活用具などが展示されています。

入館料も250円とリーズナブル。

大内宿町並み展示館の紹介(下郷町観光協会HP)

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復元されたかつての大内宿本陣跡(大内宿町並み展示館)

本陣とは貴族や大名など身分の高い方が利用することができた宿泊所になります。

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大内宿の東手には標高1,300mを超える小野岳を中心とする山々が連なります。

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大内宿周辺の紅葉はいい具合に色づきはじめ小判のように黄金色に美しく輝いておりました。


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最奥に見える建物はねぎ蕎麦で有名な浅沼食堂さんです。
残念ながら16:00で営業終了のため本日は入店できず。

話のネタにもSNSのネタにも一度は食べて見たかっただけに残念で仕方がありません。


浅沼食堂(食べログ)


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奥に見える階段を登った高台がこの集落で一番標高の高い見晴らし台になります。

ひとまずあちらまで行ってみることにします。


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見晴らし台から大内宿の集落を見下ろした光景です。

標高がそれほど高いわけではありませんが、期待以上の光景が見れただけに非常に満足。


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目を凝らして注意深く見ると茅葺屋根の所々に苔が生しているのが分かります。
これは見晴らし台からでないと見えなかっただけに登って正解でした。


大内宿観光協会公式HP


大内宿で大きな竹串に刺さった焼き団子を頬張りながら小腹も満たされ、気分も最高。

時計を見るとまだ16:30前

もう1か所だけ周りたい所があるので会社へ連絡し追加の作業が入らないことを確認したうえで塔のへつりへと。



大内宿から約15分ほどで 「塔のへつり」 に到着。

ちなみに ”へつり” とは何か?
あまり馴染みない言葉ですが、このこちら会津地方の方言で
・奇妙な岩
・危険な崖
のことを総じて ”へつり” と言うのだそうです。

塔のへつり会津地方を流れる阿賀川の支流である大川沿いの景勝地で、百万年という長い歳月をかけて浸食と風化を
繰り返し形作られた大自然の偉大さを感じ取れるスポットです。


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車を広い駐車場へと停め付近を徒歩で散策。

まず向かったのは塔のへつり最寄駅となる会津鉄道の 「塔のへつり駅

駅の入口となる門の佇まいが風情が感じられて好きです。

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駅のホーム上に建っている行先表示版

行先に浅草方面と案内されているのが興味深いです。
上り線この先の野岩鉄道会津田島駅からは浅草へ乗り入れる特急リバティ会津号が乗り入れていることも関係している
と思います。

会社は違えど線路は遠く東京浅草まで繋がっており、その気になれば普通列車のみでも行き来することが可能です。
塔のへつり駅無人駅なので入場券などを購入しなくともホーム内へ入場できます。


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ホーム上にはこのような看板も掲げられておりました。

NHK大河ドラマにもなった「八重の桜」ですが、ここ会津が舞台なのですね。

最近では映画やドラマ、アニメの舞台になった場所を巡る聖地巡礼が人気ですが、ここ会津地方も例外では無いようです。

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駐車場の周囲一面にはご覧のような紅葉が
何かの偶然か丁度いい時に訪れることが出来たようです。

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駐車場から塔のへつりまでは緩やかな坂を下っていきます。

塔のへつりに近い駐車場もありましたが、紅葉を見ながら歩きたい気分だったので敢えて遠くに車を停めさせていただき
ました。


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塔のへつりの入口付近です。

売店もあります。
但し時間が17時近くだったこともあり見物客はまばらでした。

夕日が差し込みへつり側の山々の紅葉が綺麗に輝いているかのように映ります。


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渓谷にそって階段を下っていくと塔のへつりが見えてきました。

塔のへつりは国の天然記念物にも指定されていながら、入場料は無料なのが嬉しいところ。


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大川の渓谷沿いに切り立つ崖 ”へつり”

画像だけでは伝えきれませえんが、実際に目にするその迫力、雄大さは長年の月日を経ただけのことはあります。


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先ほどのへつりをズームしてみました。

このようなへつり一つ一つに名前が付けられているのも見逃せないところです。

興味がある方はパンフレット片手に名前を確認してみてはいかがでしょうか?


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吊り橋マニアの方に朗報です。

大川を跨ぐようにへつり側へは吊り橋が掛けられています。

この吊り橋から見る光景は絶景に違いありません。

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別アングルから。

こちらも紅葉がしっかりと色づいており見物客の期待を裏切りません。


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渓谷沿いの崖。
そして崖に沿うように歩道が続きます。

このようなへつりが幾重にも続くのです。

但し2011年の東日本大震災の影響もあり一部のルートは通行禁止になっていたのが残念でしたが。。

光の加減のせいかエメラルドグリーン色にも見える大川。
緑色にはヒーリング効果があると言います。
心がまったりとさせられます。

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それでは待ちに待った吊り橋を渡ります。

じつは私、吊り橋が好きで吊り橋と聞けば足を延ばしております。

これでまたひとつコンプリートに近づきました。

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吊り橋から眺める景色。

こちらは北側となり会津若松方面を眺めたところになります。

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視線を変えて、北側のへつり側を眺めたところです。

どうやらこの辺がへつりの終端になるようです。


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今度は南側を見てみましょう。

先ほど吊り橋を渡る前に見た光景がすぐ眼前に広がっております。

あの切り立った崖の間の道をこれから進むのかと思うとワクワクが止まりません。


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見てください。
この歩道を。

かなり道幅が狭くすれ違うのも一苦労。

落ちたら川へ真っ逆さまですから決してふざけずに慎重に足取りを取っていきましょう。


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狭い歩道ですがこのように仏像や地蔵様があちらこちらに散見しておりました。
浮き輪のようなものがあることから水難事故などで亡くなられた方を供養しているのでしょうか?


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しばし歩くと階段が見えてきました。

この先には一体何があるのでしょうか?

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階段手前の崖の間には無数の積み上げられた石がありました。

まるで三途の川にある賽の河原のようです。

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階段を登った先には坂上田村麻呂が創建したと伝えられる虚空像菩薩が祀られている虚空蔵尊がございます。

中は残念ながら撮影禁止のため外観のみ撮影。

中にはお札がいっぱい貼ってあり、いかにも神聖な領域であると言わんばかりでした。


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半島のようにせせり出ているのが土俵岩。

その名の通り相撲で見かける土俵のような形状をしております。

危険ですから調子にのって相撲などを取ってはいけませんよ。


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歩道からみる沈む夕日が綺麗でした。

帰りがけのすんでのタイミングで夕日の光が川面で反射される綺麗なシーンも見ることができゆっくりはできませんでしたが
この時間に訪れてよかったと思います。


塔のへつり(下郷町観光協会公式HP)

さて仕事後の息抜きも終わり後は会社に戻っての恐怖のデスクワークが待っています。

下郷町から宇都宮までは約110km。

安全運転で帰りたいと思います。



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