パソコンにも電池が入っているんです。
地震後の影響で通常業務が行えないため、過去のサポートであった事を綴らせていただきます。
今回のお客様は「電源を入れても起動しません」というトラブルです。
お使いになっているパソコンは、2005年製のNECデスクトップパソコンでした。
電源ボタンを押しても、黒い画面に英語のメッセージが出て、まったく先に進まないとの事です。
私「どのようなエラーメッセージが書いてありますか?」
お客様「英語なので読めません」
この場合、まぁ仕方ないのですが…。
いざ現地へ伺いPCの状態をチェックしてみます。
抜いてあったコンセントを入れてみると…。
なにやら電源ボタンを押してないのに、いきなり電源が入る。
「NEC」のロゴが出た後、BIOSのPOST画面で止まります。
※確かに、この時点では英語のメッセエージしか出ていません。
よく見ると…F1を押してそのまま起動するか、F2を押して設定を確認して、といった英文が確認できました。
この時点でピーンときました。
いったん電源を切って、コンセントを抜き、パソコンケースの蓋を開けてみるとどうでしょうか?
すごい量のホコリです!!!
とにかくホコリの除去の開始です。
CPUファンのところが特にひどいのはいつもの事ですが、
電源ユニットのファン及びケース筐体前面のUSB端子などの隙間のホコリもひどいです。
時間を掛けてホコリを除去していきます。
手っ取り早く掃除機を使いたい衝動に駆られますが、PCは精密機器なのでなるべく使用しないようにしましょう。
次に、パソコンのマザーボード上には、必ずと言っていいほどコイン型電池が存在します。
デスクトップパソコンの場合は「CR2032」というコイン型電池が搭載されています。
お客様「えっ?パソコンに電池なんて入ってるんですか?」
お客様はかなり驚かれておりましたが大丈夫です。みなさんそうおっしゃいます…。
このボタン電池は主に、時計・カレンダー機能の保持や、BIOS設定の保持のために使われます。
念のためCR2032のコイン型電池を抜き取って、テスターで電圧を測ってみることにします。
私「電圧が2.8Vか…微妙ですね。」
ともあれ、年数から考えても、交換が妥当だと判断いたしました。
常備してある新品のCR2032を使用することにいたしました。
ちなみにこの「CR2032」というコイン型電池はコンビにでも販売されています。
ということで新品の電池をセットいたしました。
PCケースの蓋を元通り戻し、キーボードやマウスなどの配線を戻し、最後にコンセントをつなぎます。
電源投入後、F2を押してBIOS設定画面に入り、工場出荷時の設定読み込みをし、時計とカレンダーを修正し、
BIOS画面をクリアすると・・・どうでしょう?
何事もなかったかのようにWindowsXPの画面が表示されました。
お客様「掃除と電池交換だけで治っちゃったんですか?」
「メーカーからはマザーボードの交換が必要といわれたのに・・」
結果的には電池交換だけですけどね。
特に「待機電力があるからっ!」とOAタップのスイッチで元からカットしてるパソコンに、こういう電池切れが多いです。
コンセントがつながっていることで、電源OFFでもマザーボードに電圧はかかってますので、多分、それがないと、電池を使ってCMOSデータの保持を行うために、電池の消耗が早いのでしょう。
お客様「コンセントは抜かない方が良いんでしょうか?」
私「おそらく今回の電池が切れるのは、あと3年ぐらいはかかると思います。その間に他のパーツが経年劣化によりがダメになって部品交換及び修理が必要ということもありえます」
一応、いったんシャットダウンをして、コンセントを抜いてみて、コンセントを刺し直してもそれだけでは電源が入らないことを確認します。
電源ボタンを押すことで初めて電源が入るという、正常動作に戻ったことが確認できました。
今回のトラブルはよくある定番トラブルの一つです。
起動しないパソコンでも、メーカー修理に出す前に一度ご相談ください。
殆ど自社で修理可能です。